9月に吹き荒れた中国の反日デモで日系企業は大きなダメージを被った。中国に進出している大企業のほとんどがデモ被害などが含まれる保険の特約に加入しているというが、今回は被害規模が大きいため、満額の保険金支払いは難しいのではないかと見られている。今後、「大手損保が保険料の値上げに転じる可能性もある」(保険評論家の大地一成氏)という。
昨年のタイ大洪水では保険金の支払いが日本の損保26社で総額約5000億円にも上ったため、保険の更新時に水害を対象外にするケースが現在相次いでいる。反日デモでも同様の対応を取られれば、中国進出企業はいよいよ中国を避けることになり、それは現地の雇用にも響いている。
反日デモは巡り巡って自分たちを苦しめることを、中国人は知るべきだろう。
※週刊ポスト2012年10月12日号