かつては“汚い場所”とされていたトイレだが、最近では掃除しやすいトイレが増えてきているという。建築士・インテリアコーディネーターの『ヴェルディッシモ』代表・江口惠津子さんはこう説明する。
「いちばんの変化は、タンクレスが主流になったこと。空間が広がり、インテリア性を楽しむこともできるようになりました。また、便器を泡で洗うものや、陶器以外の汚れにくい素材などが登場し、昔にくらべると掃除もずいぶんラクになりましたね」
さらに、築10年未満の戸建ての9割、マンションの8割が温水洗浄便座を設置しており(TOTOの2012『住宅設備と生活意識に関する実態調査』による)、もはや標準仕様に。
「水玉連射方式でパワフルに洗うものや、広い範囲をシャワーのように優しく洗う“ワイドビデ洗浄”など、ひとりひとりの好みに合わせた洗い心地も追求しています」(TOTOの岸澤幸恵さん)。
トイレが“御不浄”なんて呼ばれた時代はどこへやら。清潔で癒される空間へと進化しています。
ここで、そんなトイレの豆知識をいくつか。世界一大きなトイレは、千葉県市原市の飯給駅に設置されており、2014年春に開催予定の「中房総国際芸術祭 いちはらアート×ミックス」の一作品として作られたもの。高さ約2m、外周54mの杉の丸太で囲った広さ200平方メートルの“草原”に、全面ガラス張り(カーテン付き )の個室トイレ1室を設置。隣接して多目的トイレ1室もある。
7 月23日、TOTOの『ウォシュレットG』が、日本機械学会により機械遺産に登録された。1980年に東洋陶器(現TOTO)が発売し、日本人のおしりを虜 にした同商品は、レオナルド・ディカプリオが自宅に取り付けるなど、ハリウッドセレブにも大好評。世界中に愛用者が広がっている。
用を足した後、紙を使うのは世界の中で3分の1の人だけ。そもそも紙が発明されたのも約2000年ほど前の話で、世界では今でも小石や指、葉、とうもろこしの芯や毛、土など、身近にあるものを使う国が多いという。
※女性セブン2012年10月18日号