今回の内閣改造で世間的目玉といえば、なんといっても田中真紀子氏の文科相登用だ。
小泉政権下で外務相時代、「外務省は伏魔殿」などの歯に衣着せぬ発言やトラブルの連発で更迭されて以来の閣僚復帰だけに、メディアは田中氏の「毒舌」を期待して待ち構えた。ところが当の田中氏は初登庁の際、
「文科省の皆さんはポジティブ思考で仕事に取り組んでおり、私も明るい雰囲気の中で仕事ができると思います。役所と対立するつもりはありません。以前はたまたま運が悪かった」
とやけに低姿勢だった。
田中氏の最近の変化は、地元新潟でも噂になっていた。後援会メンバーがいう。
「以前は見向きもしなかった地元のイベントに顔を出している。7月に『道の駅雪あかり』がオープンした際にも駆けつけ、観光客などの写メール攻勢に『押さないでね。怪我しないようにね』と優しい声を掛けながら笑顔で応じていた。以前ならあり得ません」
あの田中氏が、潜伏期間を経て淑女に変身したというのか。「いや、そんなことはあり得ません!」と田中氏をよく知る後援会のベテラン関係者はきっぱり。
「真紀子さんは同じ7月、後援会関係者らの前で『消費増税で生活必需品に軽減税率もかけないなんて、野田民主党は末期的』『小沢(一郎)さんは、政治のことはロクにわかりもしない黄色帽子の“チイチイパッパ(1年生議員)”と行ってしまった』など言いたい放題でした。
彼女も次は選挙が厳しいから、地元でも外面をよくしているだけなんです。永田町で小沢氏という後ろ盾を失ったから、いまは猫をかぶっているんじゃないですか」
果たしていつまで本性を隠していられるか。
※週刊ポスト2012年10月19日号