難航を極めるWBC監督人事。ならば先に選手だけでも決めてしまおう。週刊ポストはNPB、MLBの日本人選手を対象に、独断と偏見で代表を選出してみます。新監督、こんな代表いかがでしょうか?
まずは本気で「勝ち」に行ってみよう。週刊ポストではお馴染みの分析方法で選抜した、セイバーメトリクス(※1)ジャパンだ。野手は「OPS」(※2)、投手は「WHIP」(※3)の数値から検証した。
【※1】野球に関するデータを統計学的見地から分析し、選手の評価とするもの。
【※2】打者を評価する指標で、「出塁率+長打率」で求める。得点との相関関係が強く、MLBでは公式記録の一つとして使用されている。一般に0.800を超えれば一流、0.900を超えるとオールスター級、1.000を超えると球界を代表する強打者とされる。
【※3】投手の評価指標の一つで、1イニングあたり何人の走者を出したかを表わす数値。「(被安打+与四球)÷投球回数」で求める(与死球や失策、振り逃げなどによる出塁は除外)。数値が低いほど安定感のある投手といえる。一般に、1.00未満なら球界を代表するエースとされ、1.20未満ならエース級、1.40を上回ると問題とされる。
NPBとMLBの成績を単純比較はできないが、数値だけ見れば十分戦えそうである。特筆すべきは4番・阿部の数値。統一球の影響を受ける中で、1.0超えは驚異的だ。そしてこのスター軍団を束ねるのは、阿部のOPSをなんと“通算”で上回る王貞治氏。世界の王、恐るべし。
【最先端のデータが導き出した「最も強い」日本代表「セイバーメトリクスジャパン」】
「野手」
(打順/名前/チーム/ポジション/OPSの順)
1:糸井嘉男/日/中/0.813
2:長野久義/巨/右/0.808
3:坂本勇人/巨/遊/0.808
4:阿部慎之助/巨/捕/1.001
5:中島裕之/西/三/0.833
6:中村剛也/西/一/0.776
7:角中勝也/ロ/DH/0.788
8:根元俊一/ロ/二/0.731
9:青木宣親/MIL/左/0.790
「投手」
(名前/チーム/WHIP)
先発:吉川光夫/日/0.880
中継:山口鉄也/巨/0.730
抑え:西村健太朗/巨/0.870
監督:王貞治 OPS=1.080
イチローはOPS=0.807だが、移籍による打席不足でランク外。中島は三塁の経験もあるので三塁へコンバート。統一球の影響か、投手陣のずば抜けた成績に注目。
(数字は10月1日終了時点)
※週刊ポスト2012年10月19日号