大分涼しくなってきて、揚げものがしやすくなってきたが、上手に揚げるのは難しいのでは、と敬遠しがちな人も多いのでは? そこで88才の料理研究家、“ばぁば”こと鈴木登紀子さんが、鶏の唐揚げとかき揚げを作るコツを伝授する。
* * *
下味はご家庭の味で。ただ、粉をまぶすときに、ほんのひと手間加えますよ。それはガーゼで片栗粉をくるみ、きゅっとねじった「てるてる坊主」。これでポンポンと、鶏肉に粉を打ちます。頬にお粉をはたくように、鶏肉に薄化粧してあげるのです。
この方法はじつに合理的で、薄く均一に粉がついて仕上がりもきれいですし、使い残りの片栗粉もほとんど汚れていませんから、もう一度使うことができます。竜田揚げやフライの際の小麦粉も「てるてる坊主」で同様にどうぞ。
鶏はひと口大に切り揃え、170~180度の中温(揚げ油に菜箸を差し入れ、気泡が勢いよく出るくらい)で一気に揚げるのがばぁば流。揚げ油の表面積いっぱいまで鶏肉を入れたら、菜箸で大きく全体を動かし1分ほどで裏返してカラッと揚げます。
一方、かき揚げのコツはといいますと、衣のベースとなる小麦粉に片栗粉を加えることと、小さな容器に小分けして衣と具材を合せることにあります。たとえば、ちょっと小ぶりのかき揚げを4人分作るといたしましょう。
大きめのボウルに、合わせて2カップになるよう溶き卵と冷水を入れ、よく混ぜます。小麦粉1カップと片栗粉大さじ1を合わせてふるった後に加え、練らないように軽く混ぜておきます。
小さな容器などに、小さめに切った具材を等分に入れて、小さじ1の小麦粉をよくまぶします。揚げ油を中温(約170度。菜箸を差し入れて、小さな気泡がフツフツと出はじめる程度)に熱します。
衣を大さじ2~3杯加え混ぜて、大きめのスプーンなどですくって、そろりと油に落とします。1~2分ほど揚げてできあがりです。アツアツをすぐにいただけるよう、あらかじめ食卓にお膳を支度しておくことをお忘れなく。
※女性セブン2012年10月18日号