今回の内閣改造で大臣ポストに就いた新閣僚に対して「あれっ? このヒト誰だっけ?」と国民の多くが感じている。そればかりか、能力や識見についても疑問符がついている。
就任から3日にして「外国人献金」が発覚し、栄えある「スキャンダル大臣」第1号となったのが、旧民社党グループの重鎮である田中慶秋(けいしゅう)・法相だ。とはいえ、今回国家戦略相に就任した“言うだけ番長”こと前原誠司氏の二番煎じではインパクトは弱い。
地元・神奈川県では、「彼がよりによって法相!?」と驚きの声が上がっている。
というのも田中氏には、検察に“圧力”をかけた過去がある。1999年、三浦市が発注した下水道工事の汚職事件で、三浦市議が斡旋収賄で逮捕された際、横浜地検の捜査担当幹部に「三浦市の土地柄を考えて公平な捜査をしてほしい」と手心を加えるよう要請したことが発覚し、問題となった。
当時、田中氏は「市議は10年来の知人で奥さんから相談された。圧力を加える意図はなかったが、軽率だと指摘されれば軽率だったと認めざるを得ない」と弁明している。政治家の捜査介入はもちろん禁止されているが、法相には唯一、「指揮権」の発動が許可されているだけに、不安は残る。
※週刊ポスト2012年10月19日号