10月に導入された自動車保険の新制度により、自動車の保険料が値上がりしている。対象となるのは今年10月以降に新規契約をした人と、契約を更新した人。つまり、この1年以内に全員が新制度に移行し、その後に事故を起こすと、次の更新時には保険料が大幅に値上がりすることになる。
例えば20等級で年間5万円の保険料を支払っている人が事故を起こすと、翌年は16%値上がりして5万8000円程度になった。それが新制度では、67%値上がりして8万4000円近くなる。実に3万4000円程度の値上げ。しかもこの制度、損保各社がほぼ横並びで導入するため、“逃げ道”がないのだ。
そもそも自動車保険の保険料は、1~20までのノンフリート等級と呼ばれる、割引率が定められた「等級」によって決まる。
契約当初、等級は1等級からではなく、予め割引された6等級から始まる。1年間無事故だと翌年度から等級が1つ上がり7等級に。それに伴い、保険料の割引率も上がる(=保険料が安くなる)。逆に事故を起こすと、翌年度から等級が3つ下がって割引率が下がる(=保険料が高くなる)。
今回の新制度では、この等級に加えて、自損事故、もらい事故なども含め、事故をしたときの基準として、割引率が大幅に下がる「事故有係数」が作られた。事故を起こすと3等級下がるだけではなく、「事故有」の烙印まで押され割引率が下がるという“2重のペナルティー”を受けるのだ。つまり、同じ等級でも単なる「○等級」の無事故の人と、「○等級・事故有」という事故を起こした人に分けられる。これが保険料に大きな差を生むのだ。
しかも「事故有」の適用は3年間続く。そのあいだ無事故なら、毎年1つずつ等級が上がっていくが、元の等級に戻るまで、例えば前述の保険料が年間5万円の人の場合、3年間で約9万3300円の負担増になる。
※女性セブン2012年10月25日号