内閣改造後も支持率は25.6%と低迷し、いまだに国民からの不人気が続く野田政権だが、10月5日、「女性宮家創設」にかかわる皇室典範改正に向けた論点整理を発表した。内容は──
●皇位継承権には踏み込まない。
●旧宮家の男系男子孫の皇籍復帰は検討しない。
●対象範囲は愛子さま、眞子さま、佳子さまの内親王に限定。
●女性宮家は一代限り。
以上、4つの点を大前提としたうえで、以下の2案が提示された。
〈女性宮家創設の場合〉
【1】女性皇族が婚姻後も皇族の身分を保持できるとする案(【1】は次の2つに分かれる)
(A)配偶者や子にも皇族の身分を付与する。子は婚姻によって皇族の身分を離れる。
(B)配偶者や子に皇族の身分を付与せず、その身分は一般国民のままとする。
〈女性宮家を創設しない場合〉
【2】女性皇族が皇籍離脱後も、国家公務員として皇室活動を支援することを可能とする案
しかし、女性宮家創設をめぐる今回の論点整理の発表には、自民党などの保守派議員からの拒否反応が強い。自民党・安倍晋三新総裁が会長を務める『皇室の伝統を守る国民の会』などからは、
「女性宮家創設は、女性・女系天皇容認論の布石になりかねない」
「天皇制の根幹を揺るがす、看過できない問題だ」
という厳しい批判の声があがっている。そんな状況を皇室ジャーナリスト・神田秀一氏がこう話す。
「本来、皇室典範改正とは時間を要するもので、簡単に結論を出すべきものではありません。今回の論点整理は、昨今、民主党から自民党への政権交代が叫ばれるなかで、政府が焦って出したという感が、どうにも否めません」
※女性セブン2012年10月25日号