ダイエットや運動も「実感系」であるべき。それは、運動の効果を実感して達成感を得ることが、やる気につながるという心理があるからこそだ。
「ダイエットは達成感の積み重ね」と語るのは、自らもフルマラソン出場を成功させた心理学教授の戸梶亜紀彦さん。
「具体的な目標がないと、続けるのが困難になるのは当たり前。目標をクリアして達成感につなげる、効果を数字などで一目瞭然化する、この2つが基本です」(戸梶さん)。
さらに長期、中期、初期の3つの時期に分けて目標を決める「3段階方式」がメンタルコントロールのポイントだ。
【長期目標】
いつまでにどうなりたいのか、それはどうしてか、この理想像をできるだけ具体的に考える。例えば「結婚前のスタイルに1年で戻りたい。ウエスト5cm減、9号のワンピースで同窓会に出たい」という風に、数字で設定する。数字とイメージの両方があれば、効果が測りやすく、なぜ運動を頑張っているのかがはっきりするのでモチベーションにつながる。運動に飽きたら、ここに立ち返って自分を見つめてみよう。
【中期目標】
一足飛びにダイエット後の理想である長期目標を叶えるのは難しい。そこで、ちょっと頑張ればたどり着けるご褒美目標を設定する。例えば、1か月後に体重やサイズを測定して記録し、効果が上がっていれば好きなものを食べる、2週間で10km走るなど、努力の積み重ねがわかるようにする。ご褒美の設定は、目標を考える時に一緒に考えておく。トレーニング途中に気分で設定すると、怠慢や甘えにつながるので注意。
【初期目標】
毎日、あるいは1週間という目先の目標は、理想で立ててはダメ。達成できることを前提に考えることが大切だ。まず、自分はどの程度ならできるのか、生活リズムと体力を考えること。さらに、月水金は運動するという風に厳しく縛ってしまうより、週3回は運動する、というように少しの誤差なら調整ができるようゆとりを持った設定にするのがコツ。自分に合った運動を模索する時期でもあるので、いろいろ試してみるのもあり。
※女性セブン2012年11月1日号