今年だけでも3本の映画で主演を務め、新ドラマ『ゴーイング マイ ホーム』(フジテレビ系)もスタートして、まさに役者として絶頂期を迎えている阿部寛(48才)。だが、そんな彼も俳優デビュー当初は不遇な日々を送っていた。そこから、じわじわとスターダムを登りつめてきた阿部。木村拓哉や福山雅治のような派手さはないけれど、佐藤浩市ほどシブくはない。ましていまどきの草食くんにはないその魅力とは?
イケメン評論家・沖直実さんは阿部の魅力をこう語る。
「役柄だからかもしれませんけど、ちょっとぶっきらぼうで、口数の少ない、でも根は優しいという昭和の古きよき時代の不器用な男というイメージが阿部さん本人と重なるんですよね」
実際、阿部自身これまでにこんな価値観を明かしている。
<結婚したら、女の人には食わしてもらいたくない>
<飯とか食べても、女性に払わせたりする人がいるじゃないですか。(中略)割り勘にするといわれても、少しは多く出そうとか思いますよね。そうしなかったら男としてどうなんだろう、自分の価値って何だろうと思います>
<僕自身は家庭を大事にする男でありたい>
“男とはこうあるべき”という古風な考えの持ち主のようだ。
前出・沖さんは、木訥ながらも熱い思いを持つ一方で、阿部のお茶目な部分も魅力のひとつだという。
「“かっこいいんだけど、何かちょっと笑える”というところも阿部さんの魅力ですよね。エピソードも“加湿器が好きで、寝室に2、3台置いておいたら、寝てる間に顔がびしょ濡れになった”とか、“自分でカイロを25枚貼ったのに、熱いと怒っていた”とか、とにかくクスっと笑えるんですよ。イケメンなのにおっちょこちょいで、どこか近づけそうな雰囲気が阿部さんにはあるんです」
近ごろは、韓流や草食系男子が大ブームで、優しい男性やカワイイ男の子に癒される大人の女性は多い。しかし、そんな彼女たちも、若いころは阿部のような男に惹かれていたはずだと、沖さんは言う。
「昭和のバブル期を経験した大人世代の女性にとって、阿部さんのような“ソース顔”はドンピシャなんですよ(笑い)。だから、みんな、阿部さんを見ると青春時代の“元カレ”や“好きだった人”とか“自分の良かった時代”や“ほろ苦い恋”を思い出して、彼に思い入れて応援するんじゃないでしょうか」
※女性セブン2012年11月1日号