食事と楽しむ“デイリーワイン”が人気だが、リストランテのソムリエールや百貨店、スーパー、ワイン専門店が赤ワインの飲み方を紹介してくれた。
「当店では贈答用など数万円もの高級ワインも扱っていますが、元来ワインは日常の食事と一緒に楽しむ食中酒。世界中で生産されている大部分は、日本円で 1500円以下程度のデイリーワインです。ぶどうの品種やその年の出来具合、作り手によっても味が違います。“ワインは習得してわかる味”と言われるように、たくさんの経験を積むことでワインの個性もわかります。気軽に飲み比べてください」
と話すのは東京百貨店本店「THE WINE」シニアワインアドバイザーの青山秀夫さん。
またワインショップ「エノテカ」広尾本店の店長・ソムリエ漆谷剛さんは次のように話す。
「繊細で個性豊かな王道のフランス産ワインに対し、デイリーワインの注目株は日照量の多いアルゼンチンやオーストラリアのワイン。しっかりとコクがあるのが特徴で、ともに牛肉のおいしい国柄ですから、肉の脂と赤ワインの渋みが奏でる比類なき味わいを知っているんです。ぜひ、牛肉料理とともに楽しんでほしいですね」
家飲みワインをもっとおいしくするコツを「RISTORANTE Tullio」ソムリエール・宇田晴美さんはこう話す。
「瓶詰め後も熟成が進み、風味が変わる繊細さもワインの魅力。小さな振動でも澱が舞い、買って来てすぐに飲むと雑味が混ざりますので、2~3日前から冷暗所に立てて澱を沈殿させ、注ぐときは愛情込めて、そ~っと注いでくださいね。比較的熟成の若いデイリーワインでも、特に赤は、丸みのあるグラスに1/3ほど注ぎ、ゆっくりワインを回すと香りが立ちまろやかになります」
※女性セブン2012年11月1日号