尼崎連続怪死事件の中心に位置するのが主犯とされる角田美代子被告(64)。夫、長男、孫娘などの“ロイヤルファミリー”の配下となるのが角田被告によって崩壊させられた一家の面々。さらに素性不明の若者も従え、外出時は最低でも5、6人を引き連れて行動。角田被告は「みんな欲しいもん買えや」と声をかけながら、地元の商店街を闊歩していた。
地元スナックママがいう。
「角田被告のまわりの男の子たちはみんな太っていて金髪。だから近所では『金髪デブ軍団』って呼ばれていたんですよ」
角田被告が住んでいたマンション近くの飲食店オーナーで、角田被告の家に訪れたことのある男性・Aさんは玄関口の二人の男を見たが、彼らも“金髪デブ軍団”の一員だった。彼らはボディガードというよりもマンションのトラブルメーカーだったようだ。マンション住人がおそるおそる口にする。
「あの男たち、本当に恐ろしいんです。赤ちゃんの泣き声がうるさいという理由で隣の住人を引っ越しさせたのは有名な話です。また、隣の家のお婆さんがベランダ越しに『お花が綺麗ねぇ』といったら、軍団の一員が『人の家を覗くな』と声を荒らげたこともあった」
別のマンション住人の話。
「一度、マンション住人の子がエレベータの隙間に鍵を落としてしまい、少しの間、エレベータがとまったことがあった。すると、その子のお母さんのもとに軍団の男たち5~6人が、『土下座せえ』って凄んでいた」
彼らがどのような経緯をもって角田被告のもとに集ってきたのかは不明だ。だが、その“暴力装置”の中心には角田被告のいとこ・李正則被告(38)がいたという。
捜査関係者はこう語る。
「連続変死事件の様々なシーンで李被告の名前があがっている。李被告は元ノンプロの球児で腕力がとても強い。角田被告の右腕として地元の若者をリクルートして、集団を形成していったのではないでしょうか」
※週刊ポスト2012年11月2日号