英・プレミアリーグ・マンチェスターユナイテッドのFWウェイン・ルーニーが告白したことでも話題だが、男性型脱毛症の診療ガイドラインで推奨度Bの「勧められる」とされている【自毛植毛】。
最大のメリットは、カツラや増毛などと違って、後のメンテナンスが不要な点だ。
移植方法は幾通りかあるが、後頭部の皮膚を帯状に切り取り、1株ごとに分けて移植し、切り取り部分は縫合するという「ストリップ法」が世界の主流だ。しかし縫合跡が残ったり、切り取れる部分に限りがあるなどの難点がある。
そこで日本で急速に拡まっているのが、メスを使わず、痛みや出血がわずかで患者への負担が少ないという「ダイレクト法」だ。
「まず採取部の毛を短く刈ります。そこから微細な筒状の器具で毛穴ごと、つまり毛包という毛を作る工場ごと採取します。そして移植部に極小の穴をあけ、採取した毛包を植えていきます。毛を引き抜いて、毛穴を作った場所に差し込んでいくイメージです。身体への負担も少なく、手術は日帰りです」(アイランドタワークリニック・井上浩一院長)。
毛穴単位で採取するので、後頭部から密度の濃い場所や元気な毛を選んで採取することができるのもひとつのメリットである。
術後は、採取部と移植部に赤みや点状のかさぶたが残るが、髪の毛で隠せばわからない程度で、10日もすれば目立たなくなる。また洗髪も翌日から可能だという。
「術後3日間は移植した部分には触れられませんが、お湯で流す程度であれば問題なく、むしろ多めに流し洗いをした方がいいくらいです。また移植部分以外でしたら普通に洗っても問題ありません」
気になる効果だが、移植後4か月から1年ほどでしっかりとした毛が生え揃う。年齢とともに発毛能力は衰えるが、効果は一生涯。
料金は、植毛する量によって異なり基本料金21万円に加え、1株1200円。平均で1000株(毛に換算して約2500本)植える人が多く、150万円程だという。
※週刊ポスト2012年11月2日号