ここ数年ですっかり一般的になってきたスカルプ=頭皮ケア。美しく健康的な髪のためには、ヘア=髪のケアだけでなく、髪を育む頭皮をしっかりケアしようという発想だ。以前は育毛サロンや養毛剤など男性をターゲットにしたものが多かったが、ここ1年余りで女性用のスカルプケア商品がドラッグストアで大きなスペースを占めるほどの人気になっている。
こうした中、現代女性に「頭皮ケア」の重要性を伝えることで、今はもちろん、5年・10年後の女性たちの髪を美しいものへと導くために立ち上げた新プロジェクト『スカルプDヘアケア委員会 ~頭皮革命~ 』がスタート。プロジェクトの第1弾として、同委員会では、女性の「頭皮のニオイ」に注目。「ニオイ」の実測検証のほか、20~30代の男女を対象とした意識・実態調査や、体臭ケアの専門家へのインタビューを紹介している。
まず臭気測定器(ニオイセンサー)を用いて20~30代女性の頭皮の臭気の測定を行った結果、ニオイの平均値は、シャンプーをした約24時間後で「59」。同じ測定機を用いて他のものを測定すると、アメリカザリガニが「10」、さんまが「44」、ネギが「72」、ニオイが原因で食べられない人も多い納豆は「430」という結果に。
しっかりスタイリングした美しい女性の髪も、24時間後の頭皮のニオイは秋の味覚・さんまより数値が高く、アメリカザリガニの6倍近いニオイ。さらにニオイレベルを7倍にすると……って、そんな機会はないとしても、納豆と同等にもなるというのはかなり凹む。
また20~30代の男女を対象に、「頭皮のニオイ」に関する意識調査を実施したところ、男性よりも女性のほうが「頭皮のニオイ」を気にしている割合が高かった。ちなみに女性に「頭皮のニオイ」を例えてもらったところ、「手垢で汚れた古本のニオイ」、「体育館のマットのニオイ」、「飼っている三毛猫のニオイ」、「ワカメのニオイ」などの回答があがった。
さらに男性に対して「異性の頭皮のニオイが気になったことはあるか?」と聞いたところ、約半数が「ある」と回答。さらに、81%が頭皮のニオイによって「好感度が下がる」、42%が「パートナーや恋人への好きという気持ちが盛り下がる」と答えたほか、18%からは「別れたいと感じる」という結果となった。
こうした頭皮のニオイの原因と、正しい頭皮ケアについて、同サイトでは体臭ケアのスペシャリストで、医学博士・五味クリニック院長の五味常明先生がアドバイスしている。
「女性のほうが髪が長い人が多いため、頭皮のニオイが髪の毛にも付着し、ふとした時に気になってしまうようです。髪の毛が生えているため、清潔にするのが難しい上に、消臭もしづらい場所で、さらに頭皮のニオイは複合臭なので、“頭皮の消臭対策と言えばこれ”というものがないのです。ワキや足の裏などには、スプレーなどのデオドラント用品がある一方で、頭皮に専用品がないのは、こういった理由からです。
頭皮のニオイの原因としては、【1】毛穴に詰まった皮脂(中からの詰まり)、【2】角質のターンオーバーの乱れにより生じるアカ・フケ(外からの詰まり)が大きく、頭皮のニオイをケアするには、“中からの詰まり”“外からの詰まり”を防ぎ、 頭皮環境を整えることが重要です。そのためには、日々のシャンプーが非常に重要になってきますが、正しいシャンプーができている人は、非常に少ないのが現実です。日々のシャンプー、乾かし方についても見直しをしましょう」
つまり頭皮のニオイケアには、消臭よりも防臭が重要とのこと。最近では、頭皮クレンジング製品やヘッドスパなど、さまざまな方法が登場してきているが、まずは毎日のケアであるシャンプーを見直すことが、ニオイ対策の第一歩といえそうだ。