夫婦の日常も様々だが、あらゆる夫婦のエピソードが、漫談家の綾小路きみまろにメールや手紙で続々と寄せられている。今回寄せられたのは、信用金庫勤務のご主人(鹿児島出身・57歳)。奥様(55歳)は山形出身で、現在は名古屋在住です。
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「義(屁理屈)をいうな」とか「泣こかい、飛ぼかい、泣こよか、ひっ飛べ」という言葉があります。「薩摩隼人は理屈をいったりしないで、さっさと行動しろ」という意味です。男尊女卑の風潮も未だに残っていて、一番風呂に入るのは家長である父親です。
こういう薩摩隼人をよく理解し、連れ添ってくれるのが薩摩おごじょで、同県民の結婚でないとなかなかうまくいかないんですが、実は女房の出身地の山形も、未だに三世代同居が当たり前。父親のお膳は脚が一番高く、品数も多いという「家長が一番」の風潮が残っているところです。
東北では「嫁をもらうなら山形からもらえ」といわれるほどで、我が女房もよく尽くしてくれます。もちろん、結婚以来、僕が一番風呂。「オレには過ぎた女房だ」と思っていたんですが、先日「ん?」と思うことが。
横浜に住んでいる娘夫婦が3歳の孫を連れて遊びに来て、孫と一緒に入浴しようとすると、「ダメよ!」と、いつになく口調の強い女房。「なんで?」と聞くと、「一番風呂は体に悪いの! アナタと違って、孫は先が長いんだから」だって。初めてわかったよ、この前「生命保険、増額しようかしら」と呟いてたワケが。
※週刊ポスト2012年11月2日号