石原慎太郎氏(80)が新党を結成し、国政に打って出ることを発表した。 石原新党の登場で次の総選挙の構図は大きく変わってくる。これまでは橋下徹・大阪市長が代表を務める日本維新の会が第3極のシンボルとして全国で候補者擁立を進め、維新が民主・自民の2大政党との戦いを一手に引き受ける構図が作られつつあった。
それが、東京は石原新党、北関東や南関東が基盤のみんなの党、東北に強い地盤を持つ国民の生活が第一、北海道の新党大地・真民主、東海の減税日本、近畿をはじめ西日本は維新という具合に、ブロックごとに第3極が民自と戦う「地方vs中央」の構図がより強まる可能性がある。
石原氏自身も新党では「30~40人」の擁立を考えていると語り、いきなり過半数確保は難しいことを認めている。むしろ、狙いは第3極の盟主として地方政党の連帯をはかることではないか。
石原氏と共闘について会談してきた減税日本代表の河村たかし・名古屋市長は、本誌インタビュー(8月3日号)でこう証言している。
〈石原さんと会った時(中略)『一緒にやるには政策が違うじゃないか』と問うたら、彼は間髪入れずに『中央集権打破、これで行こう!』といいました。それで石原さんも違いを乗り越えて組むことを真剣に考えていることがわかった〉
河村氏は石原出馬について、「日本は今、中央集権打破やアイムソーリー外交に始まる戦後政治の総決算が求められている。総選挙で地方政党連合が勝てば、日本の自立を訴え続けてきた石原さんが総理大臣にふさわしい」と語る。
そうした第3極連合が民自を圧倒すれば、河村氏がいう「石原総理、橋下総務相、河村財務相」という首長政権も現実味を帯びてくる。
※週刊ポスト2012年11月9日号