芸能

桑名正博氏の“もう一人の息子”病室で初めて“親父”と呼ぶ

 104日間の闘病の末、10月26日に亡くなった桑名正博さん(享年59)。桑名さんには前妻のアン・ルイス(56才)との間に長男・美勇士(31才)、妻・栄子さん(49才)との間に次男・錬(24才)がいるが、それ以外にもうひとりの息子がいた。

 その息子とはロックバンド・虹艶Bunnyでギターボーカルを務める露敏(ろびん・28才)。父への思いを聞くために露敏を訪ねると、“桑名さんの名誉を守るため、誤解を生まないために”と、重い口を開き、慎重に言葉を選びながら、答えてくれた。父と同じ芸能界の道へと進んだことについて、こう話す。

「役者として初めて“芸事”に触れたときに、父の偉大さを知って、“自分の父はすごい”と尊敬の念を抱くようになっていきました」

 芸能活動を通じて、父への思いを強くしていった露敏。また、桑名さんとアン・ルイスとの長男・美勇士とも音楽を通じて親交を深めた。

「美勇士とは、話していても感覚的に気が合う感じですね。彼も、なんとなくぼくらが“兄弟”ということは知っていたと思います」(露敏)

 昨年末、虹艶Bunnyは美勇士のプロデュースで年越しライブを成功させ、露敏はミュージシャンとしての自信をつけた。そして父と同じ音楽の道で生きようと決心し、初めて「ふたりきりでゆっくり話をしたい」と思うようになっていたという。

 しかし、ようやく父と向き合おうとした矢先、悲劇は起こった。桑名さんが脳幹出血で倒れ、意識不明となってしまったのだ。露敏はその知らせを受けると、すぐさま桑名さんが入院していた大阪の病院へ向かったという。

「1日だけでしたが、一晩中付き添いました。そのとき偶然、病室で桑名さんとふたりきりになった時間があって、思わず手をギュッと握って…生まれて初めて“親父”と声をかけました。本当に“死なないで”と願いましたね」(露敏)

 これが桑名さんと露敏の最後の父子対面となった。

 10月26日、露敏はライブを控えていた。その開始2時間ほど前に、母親から連絡が入り、“父”の訃報が伝えられた。

「もちろんショックでしたが、親父のことはライブが終わるまでは考えないようにしました。桑名さんに、自分のことを“誇れる息子”と思ってほしかったので、逆に気合いが入りました」(露敏)

※女性セブン2012年11月22日号

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