中国では外資系企業の工場での主要な働き手になっている民工(出稼ぎ農民)の7割が精子の異常を抱えているとの調査が明らかになった。さらに、中国ではホワイトカラーの労働者も職場でのストレスを強く受けており、毎年60万人が過労死で亡くなるなど、世界一の過労死大国になっているという。
広東省を中心に発行されている「南方都市報」は同省深セン市の市立病院の医師の調査結果として、昨年1年間で9万人の労働者の精液を調べたところ、そのうちの7割の約6万3000人の男性の精子に異常が見つかったと報じた。
これは労働環境が劣悪で賃金が低く栄養状態が悪いという原因のほかに、深セン市はとりわけ男性人口が多く、女性と性関係を持つことが難しいことが挙げられると医師は指摘している。
一方、中国では、高給取りのホワイトカラーは仕事上で極めて強いストレスを受けているという。中国共産主義青年団(共青団)機関紙「中国青年報」によると、健康診断を受けたホワイトカラーの3分の2は健康状態が悪化していると答えている。その原因の筆頭は仕事のストレスで、次が環境汚染、運動不足と続く。
とりわけ仕事のストレスは深刻で、中国の企業は売り上げのノルマや達成目標が極めて高いことから、同紙は「中国の職場は世界一ストレスが強い」と指摘。「昨年は60万人がストレス死しており、大都市になればなるほど、ホワイトカラーが受けるストレスは強くなっている」と分析している。