“節約”をしたいがなかなかむずかしい…。そこでケチの本場、名古屋の主婦にケチになる方法を伝授してもらった。
ケチの自覚は、まるでなし。「何にもしてないわよ~」とニコニコ笑顔で話すのは、夫と3人の子供を持つNさん(40才)だ。給料天引きで確実に貯金し、毎月おろすのは6万円のみだという。
ご自宅は最近購入したばかりの新築一戸建て。リビング奥のキッチンスペースにありえないものを見た。グリル周りの足元部分の壁に貼り巡らされた新聞紙。シンクトップを覆うアルミ箔。換気扇フードにピタリと貼られた透明ラップだ。
「せっかく新しくてきれいなのに汚れたらイヤじゃない。汚れ防止ガードです」(Nさん・以下同)
見れば、防止ガード類には、ベッタリ汚れが。だけど、覆われたラップをめくれば「ホラ、ピッカピカのままの換気扇フードよ」。
Nさんは牛乳パックをゆすいだあとは、開いてためておき、まな板として使う。立派な木製まな板にはうっすらホコリがかぶっているのを見て問いただし、教えてもらった。
「まな板を汚すのがイヤで魚をさばくときに試してみて、すっかり気に入ったの。本物のまな板は? インテリアのひとつかな?」
ゆで汁もただでは捨てない。ゆでものをするとき、時間差で何品もゆでるのはあたり前だが、最後はアツアツのゆで汁を使いたてフライパンにジャー。タワシでゴシゴシこするだけで、油分が適度に、汚れがすっかり落ちるのだそう。また、得意のワザは麺類のゆで汁。
「油で汚れた食器をつけておくと、洗剤を使わなくてもきれいになります」。
古いTシャツを切ったボロ布もたっぷりあった。なんでも、さっと拭いてポイポイ捨ててしまうキッチンペーパー代わりに使おうとしたのだが、布だともったいない気がして、さっと拭いたくらいじゃ捨てられない。気がつけば、ボロ布1枚が真っ黒になるまで、壁、冷蔵庫、シンクの隅と、掃除しまくってしまうとか。
「確かに、私ってケチかも」
少し自覚が出てきたのか、ガス代を節約するには圧力鍋、水道代を節約するには鉛筆くらいの細さで水を出すこと、スーパーでの買い物は閉店間際が狙い時、といったワザも教えてくれた。
Nさんのケチの根っこは、もったいない精神だ。汚すのはもったいない。ただ捨てるのはもったいない。そして、それを打破するワザを見つける。ちなみに、バイキングで翌日の家族の朝食用に、パン数個を常備していた袋に包んで持ち帰ったこともあるという。
※女性セブン2012年11月22日号