11月に入り秋が深まって肌寒くなってきたが、テレビではアイスの新商品のCMがよく流れている。実は、アイスメーカーは秋冬に多くの新商品を発売しているのだ。秋冬にあえてアイスを出す理由と商品の傾向とは? アイス評論家のアイスマン福留氏に聞いた。
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スーパーやコンビニなどの小売店では、商品を入れ替える“棚替え”を春と秋に実施しています。この時期に合わせて、アイスメーカー各社も新商品を出しているのです。新たに出される商品の数では、春夏のほうが多いのですが、秋冬に出される商品にはある傾向があります。
夏は『ガリガリ君』のような清涼感を感じられる氷菓系の商品が多いですが、秋冬になるとチョコレートやクッキーを使ったアイスやクリーム系の濃厚アイスが出てきます。フレーバーでいうと、チョコレートやバニラ、ストロベリーなどが多いですね。『ガリガリ君』も10月にプリン味のキャンディーの中にプリンクリームが入った新商品が出ています。
メーカーも独自に調査して、秋冬にはこうしたアイスが売れると判断し、多くの新商品を投入しているようです。実際、ある大手メーカーのデータでは、9月から翌6月の間にもっとも売れているアイスはチョコレート系のもので、氷菓系の商品の倍以上だそうです。
あと、秋冬はマロンやかぼちゃ、スイートポテトのフレーバーなど季節限定のものが多く出ていますね。季節に合わせたものが増えるのもひとつの特徴だと思います。
“冬アイス”では、代表的なものには『雪見だいふく』がありますが、ほかにもプレミアムアイスクリームといって乳固形分と乳脂肪分が多く含まれているアイスなど、もっと濃厚なものが増えてきます。
メーカーも暖房のきいたところでもおいしく食べられるアイスを意識しているようです。2009年の家計調査では、冬におけるアイスクリームの消費額No.1の都道府県は北海道というデータもあります。北海道では、暖房で温かくなった室内で冷たいアイスを食べるという楽しみ方があるようです。ぼくを含めて本当のアイス好きは、秋冬こそスイーツ感覚でアイスが楽しめると新商品の発売を待ち望んでいる人も多いんですよ。