今季、タンパベイ・レイズとマイナー契約し、5月29日にメジャー昇格を果たした松井秀喜(38)だったが、終わってみれば34試合で打率.147、2本塁打、7打点。メジャー10年間で最低の成績だった。
引退か、現役続行か――。戦力外通告を受けてから3か月余りが経過し、松井の去就に注目が集まっている。だが、長年メジャーを取材する著名なコラムニストやベテラン記者は、異口同音に「もうメジャーにマツイの居場所はない」と語る。
レイズの番記者ディック・スキャンロン氏は、こういって斬り捨てた。
「ヒデキ・マツイは紛れもなく、戦犯の一人だ。何度か打点を上げるチャンスがあったが、マツイ本来のスイングではなかった」
『シアトル・タイムズ』紙記者で、イチローに関する本を書くなど日本人選手をウォッチしているボブ・シャーウィン氏は、はっきりいう。
「ここ数年のマツイの不調は、故障のためと見られていたが違った。今季は“健康体”でも打てなかったのだ。この結果をもとに、メジャーの各球団がマツイと契約する理由は見当たらない。彼にはすでに引退しか選択の余地はない」
●文/古内義明(スポーツジャーナリスト)
※週刊ポスト2012年11月23日号