「江田クンにばかりでなく、たまにはこっちにも話しかけてくれよ」
写真の左端で虚空を眺めるたちあがれ日本の平沼赳夫代表の思いを代弁すればこんなところだろうか。
参院で野党が首相の所信表明演説を拒否するという前代未聞の“事件”で幕を開けた臨時国会。休憩中の議場に目を凝らしてみると、ひと際ホットなコーナーがあった。
解散総選挙がちらつく中、日本維新の会・松野頼久氏の隣で優しげに目尻を下げて話しかけているのは、普段強面の論客として鳴らすみんなの党・江田憲司幹事長。いったんは物別れに終わった連携話だが、何とか再開したいという思惑と打算が覗く。
一方、左端に座る平沼氏のたちあがれ日本は、石原慎太郎前東京都知事とともに日本維新の会に秋波を送るが、当の橋下徹代表は「『真正保守』とかいっている人たちには早く退場願った方がいい」と厳しく批判。「感覚、世代が合わない」という橋下氏のセリフを持ち出すまでもなく、両党は政策も理念も相容れない。
とはいえ、何とか薄氷の連携に向かって動き出しているというが、みんなの党を含めた三つ巴の関係はじつにビミョー。この3党に減税日本が加わった「第三極」の行く末、まさか“野合”といわれた民主党の二の舞ってことはないでしょうね。
撮影■藤岡雅樹
※週刊ポスト2012年11月23日号