『アイアンシェフ』として新たにスタートした往年の新番組『料理の鉄人』(フジテレビ系)。フレンチの鉄人といって思い出されるのは、現在『ラ・ロシェル』のオーナーシェフを務めるフレンチの鉄人・坂井宏行さん(70才)だ。初代フレンチの鉄人・石鍋裕さん(64才)のあとを継いで2代目として86戦戦った坂井さんは、中華の鉄人・陳建一さん(56才)とともに番組を支えた。
「あの6年間はいちばん充実して、緊張して過ごしていたね。料理や料理人の世界をグレードアップさせてくれた番組」と振り返る坂井さん。
「感動的だったのは最後の陳さんとの勝負」と語る坂井さんだが、名勝負に挙げたのは、元『トゥール・ダルジャン』副料理長の清水忠明さん(56才)との戦いだった。
現在は『銀座ラトゥール』の総料理長を務める清水さんは、オマール海老のタルタル仕立てやサフラン煮込みなど5品を。鉄人坂井はオマールと桃のサラダ、オマール海老のガレットなど3品を作成。勝者は挑戦者・清水さん。
「このとき、ぼくは初めての10連勝がかかっていた試合だったんだけど、それを清水シェフに阻止されたんです。オマール海老は、実はぼく、得意なんですよ。でも、その得意のオマール海老で負けたことが悔しくてね。
清水くんは気鋭のシェフ。実力があるのはわかっていたけれど、まさかの負けだった。結局、その後、オマール海老で3連敗したこともあって、みんなからは“魚は強いのに、なんでオマールだけは弱いの?”みたいに言われて、悔しかったですよ」
チャレンジャーとして『アイアンシェフ』から出演依頼が来たら?と問うと、「もちろんやりますよ。まだ現役ですから!」と即答した。
※女性セブン2012年11月22日号