「長寿の秘訣? そんなもんボクにもわからないよ。だって毎日、神様に“今日一日、なんとか生きられますように”ってお願いしてたら、なんとなく93才になっちゃったんだもん」
開口一番、そういって笑い飛ばすのは、お馴染み『アンパンマン』の生みの親でもある漫画家・やなせたかしさん。このたび、『93歳・現役漫画家。病気だらけをいっそ楽しむ50の長寿法』(小学館)をこのたび上梓した。
「世の中の長寿の人は、ほとんどが病気なんてしたことがないっていうけど、ボクの場合は病気だらけ。67才の腎臓結石からはじまって、白内障に緑内障、腎臓がんに膀胱がん、心臓病…と、数え上げたらきりがない。救急車だけでも15回は乗りましたよ。ボクが入院するとナースが“あっ、アンパンマンの先生が来た”なんて笑顔で迎えてくれるんです。退院するときには“また来てくださいね”なんていうから、“病院なんて、もう来るもんか”っていって帰って来るんですよ(笑い)」
重病人ならぬ“十病人”と自身を呼び、93才にして現役漫画家。本書は、そんなやなせさんのユーモアあふれる日々の健康法を一冊にまとめたエッセイ集。
「テレビや雑誌で“これは健康にいい”と誰かが推薦していると、すぐに試したくなるのがボクの癖。旬の野菜を煮込んだだけの野菜スープはね、食べはじめたころはさして変化もなかったんだけど、続けているうちに老人斑がだんだん薄くなって、ついには消えちゃった。皮膚科で“生涯、消えない”といわれた帯状疱疹跡のシミもみるみるうちになくなったしね」
※女性セブン2012年11月22日号