中国共産党の第18回党大会が14日に閉会する。習近平国家副主席が党総書記に選出され、次期最高指導者の座につくが、その一方で、習氏の次の最高指導者候補も党政治局入りするとみられる。その筆頭は胡春華・内モンゴル自治区党委書記らだ。
今回の党大会では党最高指導部を形成する党政治局常務委員に誰が選ばれるかが注目されているが、実はすでに「ポスト習近平」に向けた10年後の最高指導部形勢に動き出している。
北京の共産党筋によると、ポスト習近平の最有力候補は胡春華氏で、胡錦濤主席がチベット自治区トップ時代、陰に陽に胡錦濤氏を支えた人物だ。胡主席の支持母体である中国共産主義青年団のトップも務め、その後、河北省長などを経て現在は内モンゴル自治区トップ。
党大会では政治局員に選出されるとともに、中国でも極めて重要な改革開放先進省の広東省党委書記に昇格する見通しだ。
胡春華氏に次いで有望視されているのが、10年後の首相候補とみられている孫政才・吉林省党委書記だ。農業問題のエキスパートで、すでに農業大臣を務めた経験をもつなどの有望株。胡主席にも近く、胡氏は孫氏の行政手腕を高く評価しているとの情報が伝え割っている。
孫氏も今大会で政治局入りし、西部の重要な直轄市である重慶市党委書記に転任するとみられる。
重慶市は一時、党最高指導部入りが有望視された薄熙来氏がトップを務めていたが、妻の英国人殺害事件などにより更迭されるという因縁の深い都市。党大会では、薄氏の後任を務めた張徳江氏が常務委入りするとみられており、政治的にも経済的にも難しい土地柄だが、成果を残せば、最高指導部入りは間違いないだけに、孫氏の手腕が試されることになりそうだ。
このほか、やはり胡主席の腹心で、北京市党委書記の郭金龍氏の政治局入りは間違いないほか、やはり共青団トップを務めた周強・湖北省党委書記も政治局入りし、党の要職である党中央宣伝部長に昇格するとの見方もある。
党大会直前の4日に閉幕した党中央委員会総会で、軍の制服組トップの党中央軍事委員会副主席に昇格した許其亮、範長龍の両氏も政治局入りは確実だ。許氏は胡主席に近く、範氏は無派閥といわれる。
さらに、胡氏の信任が厚い劉奇葆・四川省党委書記や次期上海市党委書記に就任するとみられる王滬寧氏の政治局入りも有望視されている