テレビがますますつまらなくなっている。それもそのはず、現場では、いかにカネをかけずに番組を作るかが最優先なのだ。現場スタッフがテレビ業界の実態を語り合った。
テレビ朝日系バラエティー番組プロデューサーC:ここ2~3年は制作費の見直しばかりやってきた。年間10億円の制作費カットを目標にしているが、知恵を絞ればなんとかなるものですね。
フジテレビ系ドラマ番組プロデューサーB:代償として番組の質はどんどん低下するけどね。番組予算削減の中で光り輝いているのがテレビ朝日の『お願い!ランキング』でしょう。MCはアニメキャラクターだし、タレントが出演してもセットは紹介するお店の中だったりする。制作費を抑えるだけでなく、商品を紹介する企業に広告代理店を通じて営業をかけてカネを引っ張っているとも聞くからね。
テレ朝C:ちょっと誤解を招く言い方ですね。直接的に広告料が発生するわけではなく、局に出しているCM料金が増額されたり、ロケ現場や商品の無償提供など制作費を肩代わりしてもらったりはあるでしょうけど。
日本テレビ系報道番組ディレクターA:一種のステマ(ステルスマーケティング)ですね。企業の裏側に密着する『シルシルミシルさんデー』も典型的なステマ番組。ちょっと最近のテレビ朝日は露骨すぎるんじゃないですか?
テレ朝C:そう言う日本テレビは『人生が変わる1分間の深イイ話』で同じことをやっているし、フジテレビも企業が主力商品で対決する『ほこ×たて』や『超潜入!リアルスコープハイパー』があるじゃない。他局のことは批判できないと思うけどね。
※SAPIO2012年12月号