入籍してからわずか1年5か月。2009年8月、妻は突然夫から別れを切り出された。寝耳に水の状態のまま進んでいく離婚調停。そして昨年3月、話し合いは不調に終わり、ついに法廷にまで持ち込まれてしまった。
「お互いの性格の不一致、考え方(生活観、仕事観)の相違」
離婚を訴えた夫が持ち出した理由は、法的には極めてあいまいなものだった。逆にいうとそれゆえ裁判はこじれてしまったのかもしれない。
夫・高嶋政伸(46才)は妻・美元(33才)をストーカー呼ばわりし、「私は基本、生活費109万円必要な女」と言われ、金銭感覚のズレがあったことを暴露。
一方の美元も、夫が大量の睡眠薬を服用していることを明かしたほか、生活費を巡って激しい怒声が飛び交うDV音声データを証拠として提出した。
1年8か月に及ぶそんな泥仕合の末、大方の予想どおり勝利したのは高嶋側だった。判決では、「婚姻を継続し難い重大な事情があると認められ、婚姻関係は破綻しているといわざるを得ない」と読み上げられたほか、「訴訟費用は被告(美元側)の負担とする」とも言いわたされ、美元は全面敗訴となってしまった。
裁判に負け、別れたいという夫の主張をのむことになったばかりでなく、金銭的負担も強いられる形となった美元。なぜこんな事態になってしまったのか? 離婚裁判に詳しい長瀬佑志弁護士がこう説明する。
「慰謝料や財産分与など金額を争う場合でしたら、原告と被告の言い分が認められた比率に応じて訴訟費用を負担することもありますが、今回の場合は“離婚する”“しない”しかないので、敗訴したほうが全額負担することになります。訴訟費用については弁護士の費用などは含まれず印紙代など。今回でしたら、数万円程度でしょうか」
※女性セブン2012年11月29日・12月6日号