テレビがますますつまらなくなっている。それもそのはず、現場では、いかにカネをかけずに番組を作るかが最優先なのだ。現場スタッフがテレビ業界の実態を語り合った。
フジテレビ系ドラマ番組プロデューサーB:各局ともカネがかからない番組の制作を考えている。制作費のカットも限界だからね。弁当を用意するのもタレントとマネージャーぐらいで、1時間の休憩を取ることでスタッフは各自が自腹で食べるようにした。
公共交通機関が動いている間はタクシー代はもちろん出ないから、収録も午後10時には終えるように指導されている。派手なイメージがある女子アナも始発電車で通勤しているくらいだからね。
日本テレビ系報道番組ディレクターA:反動も出ている。ロケに行かず、ひな壇に芸人を並べるだけのトークショーが増え過ぎたため、特番の時期には局内のスタジオが足りないという現象が起きている。局外のスタジオを借りるとセットの運搬だけで100万円以上かかる。それを穴埋めするためにひな壇芸人を5人から3人に減らし、芸人を二流から三流にするしかない(笑)。内容よりカネ優先は業界の常識です。
フジB:経費を削減するために編集作業が不要な生放送のバラエティートーク番組が流行った時期があったよね。1時間2000万円かかっていたものが700万円と3分の1のコストで番組ができたが、事故を恐れて出演者の口数が少なくなってしまった。あまりにクオリティが低いので、生放送はやめて編集作業をするようになりました。
※SAPIO2012年12月号