プロ野球チームに所属する指導者は、今季開幕時でセ・リーグ129人、パで121人と全部で250人。最も人数を抱えるのが巨人で、一軍には原辰徳監督以下13人、二軍は川相昌弘監督以下17人の合計30人が登録されている。各チームに配属されたコーチ陣の平均人数は約20人。ここまで多人数なのは、専門職であるコーチの役割が細分化されているからだ。
給料面は、億単位も夢ではない監督や、選手たちと比べると大きく下がる。コーチの平均年俸は約1000万~約3000万円。一軍選手の最低年俸が1500万円だから、選手より給料が低いコーチもいる。一軍と二軍の格差も大きく、「3割は違う」(あるOB)。監督は複数年契約も多いが、コーチは単年契約が基本で、長くても2年が相場。しかもチーム成績の浮沈に従い、真っ先に人事刷新の標的になるのは、大抵がコーチ陣だ。
入れ替わりが激しい分、単身赴任者が多いが、住居費用は自費がほとんど。普通のワンルームマンションを借りて、食事代も自腹を切る。年齢的に育ちざかりの子供がいる者も多く、この出費はバカにならない。そのため選手寮の食事に群がるコーチも少なくなく、ある球団ではコーチたちがそのまま寮に住み始め、若い独身選手が入れないことがあったという。
※週刊ポスト2012年11月23日号