美川憲一(66才)が、“再々ブレイク”している。一時は事務所との金銭トラブルで仕事激減の危機にあったが、ここへきてまさかの復活をしているのだ。
「年末年始のバラエティーの出演オファーがかなり殺到しているそうです。やはりご意見番としてインパクトが強いし、現場で空気を読むのがうまくてトラブルのことも隠さずネタにするから起用しやすい。紅白への出場もとりざたされていますが、これだけ仕事が増えていると本人的にはもはやどちらでもいいのでは?」(テレビ局関係者)
最近では11月3日放送の『さんまのまんま』(フジテレビ系)に出演したほか、イベントにも引っ張りだこだ。8日には、ファッションショー「ガールズアワード2012」にシークレットゲストとして初出演し、『さそり座の女』を熱唱し、若者で埋まる会場を盛り上げた。16日にも、映画のPRイベントに呼ばれている。
先の金銭トラブルでは、美川へのギャラや社員の給料の遅配、取引関係への未払いなどから、事務所社長との関係が悪化。結果、社員6人とともに独立して、新事務所を設立することになった。小林幸子のように泥沼化はしなかったものの、金銭トラブルで仕事が減った小林のように、今後の芸能活動を危ぶむ声も上がっていた。
にも関わらず、今、仕事のオファーが殺到しているのはなぜか? あるワイドショースタッフが解説する。
「お金に固執せず、早期に和解したことでダメージが少なかった。それに騒動後、ギャラ10万円で高校の文化祭に出たり、新曲の『金の月(きんのつき)』を“かねと読むのよ”とPRしたり、われわれメディアが喜ぶようなことをするのが非常に巧み。かつて、コロッケが美川さんのモノマネをやり始めたのも、実は美川さんがコロッケに売り込んだというのも知る人ぞ知る話で、自己プロデュースがうまいんですよ」
美川といえば1972年にリリースした『さそり座の女』でヒットを飛ばしたが、その後大麻事件で2度逮捕されるなどし、テレビの出演機会は減り、地方の営業の仕事ばかりこなしていた。1980年代後半、コロッケがモノマネしたことで再ブレイク。しかし、2010年のNHK紅白歌合戦で落選したのを機に、仕事が減っていた。
コラムニストのペリー荻野さんは、美川の今の人気についてこう語る。
「美川さんは、不幸が似合う人だと思うんです。『さそり座の女』に代表されるように、歌っている曲も、恨み辛みの曲が多かったりしますよね。美川さん自身も、何度トラブルがあっても七転び八起きで結局、立ち直ってきている。だから、今回の金銭トラブルも、逆に“美川さんらしさ”になっているんです。不幸をパワーに変えて、ピョンと跳ねる強さみたいなものを持っている。一方、小林さんは幸せが似合う人だから、今回のようなトラブルはイメージダウンにつながってしまったんだと思います。美川さんのようなしたたかさがある人は、トラブルもプラスにして芸能界で長くやっていけるのでしょう」