新米のおいしい季節になった。そこで美味しいコメの炊き方を東京・目黒の米穀専門店「スズノブ」の社長で、五ツ星お米マイスターの資格を持つ西島豊造氏に聞いた。
【1】正確に量る
目分量ではなく必ず計量カップを使う。カップにコメを山盛りにし、箸をカップの口に滑らせてあふれたコメを取り除けばきっちりと量ることができる。
【2】汚れを洗い流す
すべてのコメが水に浸かるように軽く1~2回かき混ぜ、すぐ水を捨てる。各10秒程度で2回繰り返す。精米後1か月以上のコメは3回繰り返す。
【3】研ぐ
水を切ったコメをソフトボールを握る形に指を広げて差し込み、そのまま一定リズムでシャカシャカと音を立てながら20回かき回すようにして研ぐ。多めに研ぐ場合でも50回まで。
【4】すすぐ
乳白色の研ぎ汁は、水を注ぎこんで2~3回かき混ぜてから流し捨てる。
「コメ粒が見えないほど白いままなら、もう一度研いだほうがいい。ただし、コメは水に触れて3分を超えると吸水するので、洗ってからすすぐまでは3分以内に。無洗米も、軟らかく炊き上げたいなら研いだほうがいい」
この後、浸水させるが、最近の浸水時間がプログラムされている炊飯器に、浸水させたコメをセットすると二重に浸水してしまい、ベタベタになるなどの失敗も。自宅の炊飯器の機能は熟知しておく必要がある。
【5】炊く
軟水のミネラルウォーターがベストだが、水道水でもOK。基本的には炊飯器の「かため」、「やわらかめ」など好みの設定任せでよい。
【6】蒸らす
時間は10~15分程度、ふたを開けずに蒸らす。
「釜の炊きムラをなくすために蒸らしは欠かせない。蒸らしの時間が短いとシンのある硬いご飯になるので、ここで焦らない」
【7】ほぐす
しゃもじを釜の内側に沿うように差し込んで釜からご飯を離す。その後、しゃもじで十字にご飯を切り、中のご飯を4等分する。その4分の1ずつ、底のご飯が上にくるようにしゃもじを返してほぐす。
「炊飯器のタイマー機能を使って炊く場合も、炊き上がりは食べる直前に時間設定してほしい。放っておくとご飯の水蒸気が冷えて水滴となり水っぽくなってしまう。よく忘れがちですが大事なポイントです」
※週刊ポスト2012年11月23日号