1年8か月にわたる泥仕合の末、離婚を認める判決となった、高嶋政伸(46才)と美元(33才)の離婚裁判。
離婚裁判を起こしたのは政伸であり、美元は離婚を拒否していたのだが、美元はDV音声データを証拠として提出した。太田宏美弁護士はこう説明する。
「美元さんがあのDV音声データを提出したのは、離婚の原因が高嶋さん側にあると主張する意味もありました。ただし多くの人が彼女のケースで感じたように、裁判官によっては“あれだけの喧嘩をしているようでは、修復はあり得ない”と判断して裏目に出てしまう危険性があります。もし別れたくないのであれば、DVよりも夫の浮気の可能性を探ること。これが最も原告側の有責性を問うのに有効なんです」
証拠として有効なものには、調査会社の報告書、ホテルに浮気相手と出入りする写真などがある。最近では浮気相手とやり取りするメールが証拠として採用されることも多い。
美元は今回の裁判で高嶋の浮気に関する証拠はつかめなかった。その場合、争点を金銭面に切り替えるのが最善だったのかもしれない。離婚裁判に詳しい長瀬佑志弁護士はこう解説する。
「美元さんがあの音声データを提出してしまったのは、高嶋さん側から“(美元に)暴力をふるわれた”と言われ、たぶん感情的になったこともあると思います。
あの時に出すのではなく、判決が出る前に原告に対し、慰謝料を請求する訴訟を起こすときか、離婚が成立した後、慰謝料の話になったときに“DVされた”ことを裏付ける証拠としてデータを提出すれば有効に使えたと思います。しかし美元さんの場合、あのデータは一度は“離婚しない理由”に使った証拠です。今となっては効果が半減してしまうでしょうね」
※女性セブン2012年11月29日・12月6日号