親の介護やパートナーとの不仲、子供の受験など、各世代それぞれが抱える悩み・ストレス。現代人にとっては切っても切れないが、どうすれば解消できるか、南雲吉則医師が解説する。
* * *
ぼくがいちばん効きめがあると思うのは、嫌なことがあったら、布団をかぶって寝てしまう方法。そんなの、なんの解決にもならない! って思うかもしれないけど、これにはちゃんと理由があるんだ。
なぜなら嫌なことを忘れるためには、特に“明け方”によく眠ることが大切だから。なぜ“明け方”が大事なのかというと、夜10時~2時までのゴールデンタイムの睡眠(ノンレム睡眠)は脳と体を休ませるためのものだけど、明け方の睡眠(レム睡眠)は、記憶を整理するためのものだから。
明け方って、よく夢を見るよね。あれは最近の記憶を全部見直して“仕分け”をしているんだ。その中から必要なものだけを残して、古い記憶は脳の深いところにしまいこまれる。
ストレスを感じているときはなかなか寝付けないけれど、ご飯を食べた後は誰でも眠くなる。だから夕食後はテレビを見たりせずに部屋を真っ暗にしてすぐに布団に入ろう。そしていやな記憶を明け方の睡眠で抹殺したら、日の出とともに起きて朝日を拝むといいよ。朝日を浴びたときに脳から出る幸せホルモン・セロトニンのお陰で、一日を幸せな気分で過ごすことができるからね。
セロトニンは夜になると“睡眠ホルモン”のメラトニンに変わるから、その日からぐっすり眠れるようになるよ。
※女性セブン2012年11月29日・12月6日号