最近のTVドラマで目立つのが「海外ドラマからの拝借」だ。ある脚本家がいう。
「昔から、海外の名作を参考にしたドラマ制作はよくありました。しかし最近は露骨すぎる。たとえば、今年3月まで放送していた『最後から二番目の恋』(フジテレビ系)では、ヒロインの小泉今日子が、男から“ごめん、無理”と書かれた付箋を渡されてフラれるシーンがあるんですが、実は『セックス・アンド・ザ・シティ』にも瓜二つのエピソードがある。
他にも海外ドラマとソックリな設定が後を絶たない。私も海外作品を参考にすることがありますが、さすがに丸パクリはしない。一工夫ぐらいしろ、といいたいですね(苦笑)」
不思議なのは、各局とも独自にドラマを制作しているにもかかわらず、なぜか毎クール同じような設定のドラマが「カブってしまう」ことだ。
たとえば今クールも、米倉涼子主演の『ドクターX』(テレビ朝日系)と、仲里依紗の『レジデント』(TBS系)が、同じ木曜9時なのに医療モノでモロかぶり。前クールには警察モノが4番組もあった。同様のことが毎回のように起こってしまうのである。
「これもまさに、海外ドラマからの拝借癖が引き起こしている事態です。アメリカではかねてから『CSI』などの科学捜査モノ、『グレイズアナトミー』などの医療モノが大ヒットしている。
ドラマの企画はプロデューサーが持ってくるんですが、最終決定には編成や広告代理店が大きな影響力を持つ。“海外ドラマで流行っているから”というと企画が通りやすいんです。だからどの局も同じような設定のドラマであふれてしまう。しかもコスト削減でスタジオを何度も使い回すから、毎クール医療ドラマをやることになる(笑い)」(キー局プロデューサー)
※週刊ポスト2012年11月30日号