胆のうポリープは胆のうの粘膜の壁に発生し、健康診断の超音波検査で発見されることが多い。発症のピークは40~50代で男女差はなく、成人の5~10%で発見されるといわれる。
自覚症状はほとんどなく、胆汁の中のコレステロールが粘膜の壁に付着したものが大半で、約90%が良性である。食生活の欧風化によって、コレステロールが塊となるコレステロール結石とともに近年増えている。発見されたら、非腫瘍性か腫瘍性かを診断する必要がある。
東京医科大学病院消化器内科の糸井隆夫准教授に聞いた。
「胆のうは胃や十二指腸の裏にあるため、超音波診断だけでは良性か悪性かを見分けるのは難しいです。目安としては、1センチ未満のポリープが複数ある場合は良性で、1センチ以上で単発の場合は悪性腫瘍を疑います。確定診断にはCTやMRIの他、超音波内視鏡検査を行ないます」
良性と診断されたら、経過観察で特に治療しないケースも多い。ポリープが大きいか、胆のう出口付近にあり痛みを伴う場合は、腹腔鏡で胆のうを摘出することもある。
「近年、2センチ以上の胆石がある人は、がんを併発しやすいという研究結果が発表されました。ポリープの中にも放置すると、悪性腫瘍に移行するものもあります。また胆管と膵管の出口が繋がっている膵胆管合流異常はアジアの女性に多く、胆のうがんの原因の一つです」(糸井准教授)
(取材・構成/岩城レイ子)
※週刊ポスト2012年11月30日号