騒動勃発から1週間、田中真紀子文部科学大臣(68才)は完全降伏に追い込まれた。文科省の審議会が決めた3大学の来春開校の認可を、鶴の一声でひっくり返した眞紀子氏だったが、猛反発を受けて発言を撤回。3大学の開校を認可して謝罪するというドタバタ劇を展開した。
教育ジャーナリストの野原明さんは、この顛末を「非常に残念」と振り返る。
「真紀子氏のやり方はいかにも性急で、批判されて然るべき。しかし、設置認可の考え方としては正しい。大学が多すぎるし、質が低いのは事実で、新設に限らず、東京大学以下、日本の大学教育のあり方を変えなければならないと思います」(野原さん)
一方、政治ジャーナリストの森省歩さんは、真紀子氏は官僚にしてやられたと見る。
「外務大臣のときは外務官僚が戦々恐々としていたが、今は真紀子氏の人気が下がっていることもあって、文科官僚はおだて役、すかし役、なだめ役を決めておいて、真紀子氏を操る余裕が見えた。今回は3大学の不認可をぶち上げた真紀子氏をあえて止めなかった。そして失敗したところで、どう対処すべきか知恵をつけるなど、何らかの助け船を出したと見られます。これで真紀子氏は文科官僚に頭が上がらなくなった」
※女性セブン2012年11月29日・12月6日号