ビジネスホテル業界の熾烈な顧客獲得競争は激しさを増しているが、ビジネスホテルの最大の魅力は、なんといってもその安い料金だろう。
経費削減と結びついたサービスをはじめとして、高級感を売りにする一部のビジネスホテルを除くほとんどが、宿泊料金値下げのための「秘策」を練っているのだ。
「スーパーホテル」では宿泊料金は4980円からだが、大阪の7店は“ミッドナイトプラン”として午後10~11時半の当日予約の場合、シングル1泊3980円で宿泊できる。そのため同社が取り組んだのが、IT化による人件費削減だ。
「部屋のカギを廃止して、チェックインの際に暗証番号をお客様に渡し、それを部屋のテンキーに打ち込むとドアが開くシステムです。部屋には外線電話も冷蔵庫の飲み物もないので、精算やカギ返却の手間がかからず、自動でチェックイン、精算ができる。従業員を増やす必要がありません」(山本智英・経営品質部長)
「アパホテル」でも、インターネットで会員登録を済ませておけば、朝食などのサービスを選択してプランに付加し、自動精算機でチェックインできるシステムを導入し、人件費削減に一役買っている。
※週刊ポスト2012年11月30日号