今、熟女AVが大変なブームだ。その新ジャンルを開拓したのが、AV監督の溜池ゴロー氏であり、それをサポートしたのが彼にゴーサインを出したソフト・オン・デマンド創業者の高橋がなり氏。今や数万本売り上げる熟女AVも登場する状況を、2人はこう語る。
――今では、若い世代にも熟女ファンが大増殖中です。
高橋:最初は、溜池監督のような一部の人たちだけが了解していたんですよ。こういうフェチの人はカルピスを薄めずに原液で飲んじゃう人種ですからね(笑い)。別のいい方をすると、一見グロテスクなホヤやナマコを最初に食べた珍味好きの人たち。ところが美熟女AVで、彼女たちの魅力やスケベさがわかるようになってきて、どんどんファンが増えた。珍味が珍味でなくなったというか、普遍化していっちゃったんです。
溜池:お笑いコンビ・ピースの綾部君やウド鈴木君なんかは、盛んに熟女好きを公言してますね。
高橋:彼らのことをとやかく言うんじゃないけれど、若い男の子たちは熟女と付き合う“うま味”に気づいちゃったんでしょうね。だって熟女と一緒だと、男は徹底してリードしてもらえる。これは男の側からすれば責任放棄。だから、楽なんですよ。
溜池:若い男の子は、セックステクニックはもちろん、人生経験や社会的認知度でもずっと格下なのに、格を引き上げてもらえる。
高橋:ヘタをしたら、熟女より優位に立つこともあるわけで、これは若いヤツらにとって最高においしい。熟女ブームは、彼らの無難志向が支えているんです。
溜池:中には還暦すぎた女性もOKなんて若い男性がいますもん。
高橋:激辛カレーと一緒で、昔はレベル1でもヒーヒーいってたのが、熟女ブームのおかげでレベル4でもおいしいことがわかったんですよ。そうなると平気でレベル7くらいのを食べるのが出てくる。
溜池:でも、熟女とは反対に“熟男”なんて言葉がありません。女の子も、オヤジ世代に魅力を感じているようにはみえない。
高橋:リーマンショックまでは、中年男もそれなりに元気だったじゃない(苦笑)。不倫や浮気は男のモノだったし、呑みにいっても、娘みたいな年齢のホステスやキャバ嬢をバンバン口説いていた。若い女も心得たもんで、カネや地位、世間知のある中年男になびいていました。だけど、経済状況が悪化して一気に中年男の魅力が減退してしまったし、男たちの元気も萎んじゃった。
※週刊ポスト2012年11月30日号