現在、手描きの家計簿がブームになっているという。節約には効果的な家計簿だが、面倒くささを感じる人も多いはず。そこで、今最も売れている家計簿『つけるだけで「節約力」がアップする家計ノート2013』(小学館刊)の著者・細野真宏さんが「貯まるコツ」「続くコツ」をレクチャーする。
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「もやし」と「バナナ」と「家計簿」。この3つの共通点が何かわかりますか? 総務省の家計調査によると、この数年で「もやし」と「バナナ」の消費量がぐんぐん伸びていて、約20%増となっています。このふたつの食材は安くて栄養価が高いため、「節約に必須」と買い求める家庭が増えているのです。
実は、同じように、「節約に必須」と、ここ数年爆発的な売れ行きを見せているのが「家計簿」なのです。特に今年は、消費税アップを控えて、家計簿ブームがいっそう盛り上がっています。例えば、神奈川県相模原市の『ACADEMIA くまざわ書店橋本店』では、家計簿の売れ行きが前年よりも1〜2割アップ。その理由を、店長の岸孝行さんはこう話しています。
「(2014年4月からの)消費税アップが決まった影響が大きいですね。家計簿を購入されたかたからは、『赤字にならないか不安で』『増税前に家を購入しようと思っているけど、家計がローンに耐えられるか知りたくて』といった心配の声をよく聞きます」
確かに家計簿をつけることの節約効果は抜群です。0代から50代までの既婚女性200人を対象に、『女性セブン』が実施したアンケート調査では、「家計簿をつけている主婦」の平均貯金額は838万円で、「つけていない主婦」の644万円を大きく上回りました。
つまり、家計簿をつけているだけで、貯金に200万円もの差がついているのです。私は、家計簿をつける1日3分の習慣を、「節約力を磨くトレーニング(=節トレ)」と呼んでいます。
ただ、家計簿と聞くと、「毎日つけるのは面倒」と感じてしまう人も多いでしょう。同じアンケート調査で、現在“家計簿をつけていない人”に聞いてみたところ、約6割は、「過去に家計簿をつけたけど…」という挫折経験者でした。
節約は地道な努力の積み重ねですが、計算をしたり、買い物のメモをとったり、という習慣は簡単なように見えて、なかなか続けることは難しいものなのです。
そこで、家計簿で挫折してしまった人や、これからつける初心者の人でも、続く家計簿を作れないか──と、私が3年前に考案したのが、『つけるだけで「節約力」がアップする家計ノート』です。
この『家計ノート』が支持された大きな理由として、「3日坊主の私が初めて続いています」といった“家計簿再チャレンジ派”の声が、圧倒的に多くありました。
読者に向けて私が送ったアドバイスは、次のような2つのシンプルなことでした。
【続く家計簿のコツ その1】
●書くだけで目標の8割は達成
家計簿の目的は、買ったものを自分の手で書き出すことで、どんな買い物をしているかを意識する習慣をつけることです。1円単位などの端数の計算が合わなくても、家計の記録は充分振り返ることができるので、気にすることはありません。毎日の買い物の記録を自分の手で書き出すだけで、家計簿の目的の8割は達成できます。
【続く家計簿のコツ その2】
●1品1品書かなくてもOK
買った品物をひとつずつすべて書こうと思うと、途中で挫折するのは明らかです。商品ごとではなく、レシートを見て、買った店の名前と合計金額だけを書けばOKです。1日3分の記入で済みます。
※女性セブン2012年11月29日・12月6日号