夫婦の日常も様々だが、あらゆる夫婦のエピソードが、漫談家の綾小路きみまろにメールや手紙で続々と寄せられている。今回寄せられたのは、ご主人(47歳)が商社勤務の奥様(45歳)。ご主人の健康法は「誕生日記憶」です。
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久しぶりに寄席を観にいった主人が興奮して帰って来て、「林家ペーって50代だと思っていたら、71歳だって! 有名人の誕生日を覚えることで有名だけど、数字を記憶するって、脳が活性化して、若さや健康を保つことにつながるんだよな。オレも今日から、芸能人の誕生日を覚えるよ」。
書店で『TVスター名鑑』を買ってきた主人はページをめくりながら、「相武紗季は6月20日で、綾瀬はるかは3月24日。え~っと、青田典子、これは人の奥さんだからいいか。泉ピン子もパス。井上和香か~、今や人妻だけど、懐かしや、和香パイ! 5月13日は覚えておこう」。
それからも、覚えた誕生日を暗唱するのが日課で、「何かさァ、毎日頭が冴えて体の調子もいいんだよ」。そんな主人ですが、今日、会社から帰ってくると、
「暮れの12月21日から26日まで地方出張になっちゃったよ」
「アラッ、それじゃ、一緒にお祝いできないじゃない」
「クリスマスイブだろ。ごめん!」
「違います! 25日よ」
「イブの次の日?」
「私の誕生日!」
「アッ、忘れてた!」
肝心の女房の誕生日を忘れてどうすんのよ!
※週刊ポスト2012年12月7日号