2年に1度、広東省珠海市で開かれる中国国際航空宇宙ショー。9回目の今回注目を集めたのは中国の次世代ステルス戦闘機「殲31」の小型模型だった。
昨年1月に初飛行が成功した中国初のステルス戦闘機「殲20」の後継機だが、今回の航空宇宙ショー開催の2週間ほど前に試験飛行の写真がネット上に流れて話題になっていた。実は、「殲20」も公表される直前に中国の軍事サイトに流出しており、何やら作為的な情報操作の影がちらつく。
それはさておき、中国が威信をかけて完成させたというこの最新兵器、どこかで見たことがあるような……そう、米国を中心に開発されたステルス戦闘機「F-35」と瓜二つ。さてはと会場を見渡してみると、無人機や武装ヘリ、軍用ジープなど、どれも米国の兵器ソックリ。毎回のことながら、さながら盗品を集めて捌く「泥棒市場」といったところか。
世界の軍事兵器に詳しい軍事ジャーナリスト・潮匡人氏はこう語る。
「この10年を振り返っても、米国内の企業や研究所に入り込んだ中国人スパイが逮捕、国外退去させられるという事例は後を絶ちません。世界中で開かれる軍事兵器ショーの会場では、写真を撮りまくる中国人に兵器メーカーの人たちが眉をひそめる光景が当たり前のようになっています」
※週刊ポスト2012年12月7日号