漫画家・さかもと未明さん(47才)が雑誌『Voice』に寄稿したコラムに対して起きた炎上騒動。問題のコラムは今夏、さかもとさん自身がJAL国内線に搭乗した際の体験を明かしたもの。要約すると、次のような内容だ。
愛媛から羽田に向かう機内で、ずっと泣き叫び続ける乳児がいた。さかもとさんはその声に耐えきれず、着陸態勢に入った後にもかかわらずシートベルトをはずして通路を走り、乳児の母に「あなたのお子さんは、もう少し大きくなるまで飛行機に乗せてはいけません。赤ちゃんだからなんでも許されるというわけではない」と怒鳴り込んだ。着陸後も怒りはおさまらず、JALに対しても猛烈なクレームを入れた──。
これについて、ネット上では、<赤ちゃんが泣くのは当たり前><恥知らずにもほどがある><「いってやった」みたいに書き散らすのが下品>など、さかもとさんをバッシングする書き込みがあふれた。これに対し、当のさかもとさんはこう語る。
「私としては議論していただくことを前提に書いたので、多くのかたに話題にしていただくのはうれしい限りです。波風が立つのは覚悟のうえ。ただ、是非とも“全体”を読んで、私の提案について、考えていただきたいと思います」
さかもとさんは同コラムで、その後、正式にJALを取材し、広報部の人間とともに整備中の機体の中まで入り、防音対策について聞き取り調査したことを明かしている。そして、乳児連れの乗客用に防音壁のある個室を設けることは航空法によって不可能であることなどに触れ、「搭乗マナーや機体の工夫について改めて議論してもいいのではないか」とも綴っている。
確かに、「自分が我慢できなくなったから」という、あくまで自分中心の考えで機内ルールを無視してまで怒鳴り込んだことは褒められた行為ではない。<金を払っている乗客は何を主張してもいいの?>と彼女を非難する書き込みもあったように、そうした“権利意識”が潜在していた部分もあったかもしれない。
とはいえ、赤ちゃんの泣き声を不快に感じる人は彼女だけではないだろう。そこで、彼女としては、泣かせてまで赤ちゃんを飛行機に乗せることの是非と、その対策について論じたいと思って寄稿したというわけだ。
※女性セブン2012年12月13日号