今や日本にも、選挙で勝つための戦略を授ける「選挙プランナー」という職業が存在するが、アメリカの場合はどうか。例えば、バラク・オバマ大統領には、デイヴィッド・アクセルロッド(57)という選挙参謀がいた。
賢人のような風貌から“フクロウ博士”の愛称で知られるアクセルロッド。2003年からオバマ大統領とタッグを組み、今回の勝利にも尽力。上級顧問として閣僚人事の選定にも携わっている。
シカゴの敏腕新聞記者から政治コンサルタントに転身、1987年のシカゴ市長選挙でハロルド・ワシントンを初の黒人市長として当選させた後、デトロイト、ワシントンDC、ヒューストン、フィラデルフィアなどで次々と黒人市長を誕生させた。幼いころから政治への関心が高く、13歳の頃にはケネディの選挙戦で支援バッジを売り歩いていたという逸話も残っている。
そして、オバマ大統領の選挙参謀として忘れてはならいのが、Facebook共同創業者であり、“オバマを大統領にした若者”と呼ばれたクリス・ヒューズ(29)だ。
4年前の大統領選挙戦において「My.Barack.Obama.com」というサイトを立ち上げFacebookのようなSNS機能を構築。ワンクリックで献金画面に移行、1ドルという少額でも献金できるシステムを作り出し、約100万人、6億ドルという個人献金を集めた。
オバマ大統領は彼を“My Internet Man”と評した。選挙後、社会貢献に取り組むNPO団体の支援する新たなSNSサービス「JUMO」を立ち上げ、今年3月には伝統的な雑誌『The New Republic』の所有権(オーナーシップ)を取得している。
※週刊ポスト2012年12月7日号