本誌は43年に及ぶ国会議員生活を終える前日、森喜朗・元首相(75)にインタビューした。首相在任中は誤解を受けることも多かったという。その真相をプロインタビュアーの吉田豪氏に語った。
――当時は誤解が多かったですけど、後に真相が明らかになったことも多いですよね。クリントンとの会談で「How are you?」と「Who are you?」を間違えたって話がデマだったとか(※注)。
森:そんなことを言うはずがないのに、「じゃあ誰かそばにいたのかね?」って聞くと誰もいないんだもん。つくり話の定番です。
――それで叩かれてたっていうのは理不尽ですよね。
森:うん。それに騙される国民が愚かだし、そんな国民のために命まで懸けなきゃいかんのかなと、ときどき思うことはあったよね。
【*注】2000年5月の森首相――クリントン大統領会談(ともに当時)において、森氏が「How are you?」のつもりで「Who are you?」と聞き、クリントンが「ヒラリーの夫です」と答えたところ、森氏が「Me,too」と答えたという話が各メディアに報じられた。後に毎日新聞記者が自分の作ったジョークが広まったものだと認めている
※週刊ポスト2012年12月7日号