静岡県では緑茶でうがいをする、鳥取県では解熱作用のある梨を煮て食べるなど、ご当地ならではの風邪対策が全国各地に存在する。中でも対策の宝庫なのが長野県。その数々を紹介しよう。
「風邪で熱があるときは、おろし大根とおろししょうがを3:1の割合で入れ、塩少々、熱湯2合を入れて1回で飲む(1日3回以上は不可)」(長野市・山田留美さん)
「常温または人肌くらいに温めた清酒に、少量のおろしにんにくを入れて飲む」(松本市・竹中恵梨さん)。ワインでも同様にイケるんだって。
梅干しを焼いて器に入れ、熱い番茶を注ぎ、しょうゆを2~3滴たらして、梅干しを崩して飲む。風邪のひきはじめはもちろん、寒い季節は日常的に飲んで体を温める人も。
風邪のひきはじめに背中に塩を塗って湯船に入る。湯で温まったら、一度湯からあがり、再度塩を塗って数分おき、洗い流して再度、湯船に入る方法も。
咳が出るときは蝉や蛇の抜け殻を粉にして、また扁桃腺がはれているときは、イナゴやなす、マムシを黒焼きにして粉にして、筒などに詰めて吹き矢のようにのどにフッとふきつけてもらうと楽になるというのだが…。蝉やイナゴ、マムシも風邪の薬に変身してしまうというわけ。
「のどや節々に痛みを感じる風邪のときには、茶碗いっぱいのおろしりんごを食べる。額におろしりんご湿布をすれば頭痛をともなう風邪にいいといわれています」と語るのは、長野県の風邪&冷え対策を集めてブログで紹介している佐久ホテル社長の篠澤明剛さん。
ちなみに、幕末の江戸城御典医・林周庵の長女である菊子さんを高祖母にもち、伝承の民間療法を今も実践している篠澤さんは、長野県の風邪&冷え対策を熟知している。
「祖母は“梅しょう番茶は万病薬、どんな病気もたちどころに治る”とよく作ってくれました。今でも飲んでいます。また寒くなると“どうさん湯”などもよく作りますし、ほとんど実践しています」(篠澤さん)
※女性セブン2012年12月13日号