政党が乱立する29年ぶりの師走選挙。衆議院選挙公示が明日の12月4日に迫ったが、ジャーナリストの鳥越俊太郎さん(72才)がこう言ってため息をつく。
「今回の選挙は何をどう選べばいいのか、非常に難しい。前回は自民党がダメだというので、多くの人が民主党に投票して政権交代が実現しました。ところが民主党はその期待に応えられなかった。でも、もう1回自民党に託せるかというと、それも嫌だという人もかなり多いですからね」
そうした中で、注目を浴びてきたのが橋下氏の維新の会。しかし、鳥越さんは石原氏との合流に首をかしげる。
「橋下さんは第3極という風を巻き起こそうとしたが、今ひとつ広がらなかったから、石原さんの力を借りたい。石原さんのほうも“小異を捨てて大同につく”といって橋下さんの人気を取り込みたい。だけど、両者は元々、原発問題も憲法問題もTPPの問題も、政策がまったく違う。維新の会と太陽の党の合流はパワーゲームの最たるもの。前回のように、ただムードに乗せられて投票すると、しっぺ返しを食らいますよ」(鳥越氏)
たしかに、2009年の総選挙で「民主党なら変えてくれるかも」とムードに乗せられて票を入れ、後悔している有権者は多いに違いない。前回の選挙で自民党からの政権交代に成功した民主党だが、先日引退を表明した鳩山由紀夫氏(65才)、菅直人氏(66才)、野田佳彦氏(55才)と総理大臣がコロコロ変わり、マニフェストもほとんど実現できずじまい。これではため息のひとつもつきたくなる。
「前回は民主党に入れましたが、子ども手当や高速道路の無料化など、甘い言葉に釣られてしまったことを反省しています。今回はきちんと考えて選ばなければと思いますが、党が乱立していますし、原発や増税、景気回復など問題がたくさんあるので、難しいですね」(53才・主婦)
「私も前回は民主党に入れましたが、今はあの1票を返してほしいぐらい。この3年間で日本は外国に領土を奪われつつあるし、経済も落ちぶれて、いったいどうしてくれるのって」(46才・主婦)
こうした民主党政権への失望を口にする人や、
「もう政治にはうんざり。結局、誰がなっても同じだって痛感しています。橋下さんに期待したいという気持ちもありますが、裏切られるのが怖い。選挙には行くつもりはありませんね」(42才・会社員)
※女性セブン2012年12月13日号