「おい、小池!」の病死やオウム逃亡犯の逮捕では、指名手配ポスターと実際の顔のギャップに注目が集まった。そこで11月30日配信の『メルマガNEWSポストセブンVol.42』では、ビートたけし氏が画期的な新・指名手配作戦を提案する。
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あの「おい、小池!」のポスターで有名な指名手配犯の小池が病死して見つかったのにはビックリしたね。年上の女のヒモになって、岡山市内でコッソリ暮らしてたわけだけど、結局生きて捕まえられなかったってのは警察も遺族も悔しいところだよな。
だけどあの「おい、小池」ってのは、ニッポンで一番有名な指名手配ポスターだったのは間違いないわけでさ。それでも捕まえられなかったってことは、そもそも指名手配犯をポスターにして貼り出すことの必要性から考えなきゃいけないってことだろ。オウム逃亡犯の菊池直子も高橋克也の時も、ポスターの顔と実際の顔がまったく違ってて「かえって邪魔になったんじゃないか」って話になってたぐらいでさ。
そもそも世の中の広告は、看板からテレビCM、ネット広告、さらにはステルスマーケティングなんていってドンドン複雑になってきているのに、なんで指名手配だけが古典的な張り紙ばかりだっていう疑問があるんでさ。警察はテレビやらネットやらもっとあらゆる方法を使って指名手配犯を周知徹底させるべきじゃないかって思うね。小池の前歯が2本なかったなんて重要な情報も、ほとんどの国民は知らなかったんじゃないかって思うんでね。そういう逮捕につながりそうな情報をガンガンテレビで流せばいいんだよな。ただでさえ、再放送やらばかりやってるんだからね。
たとえばNHKのニュースあたりでは「今日の指名手配犯」っていうテロップをずっと画面の下のほうに流しておくとか。ポスターよりよっぽど効果あるだろってね。最近、テレビの画面の下に、視聴者がツイッターで書き込んだ感想なんかを流してたりするけど、そんなのよりよっぽど有意義だよ。
で、一番いいのは警察がテレビショッピング番組を買い取ることだね。警察がスポンサーになって、ジャパネットたかたの社長やトーカ堂の社長を出演させて、エキサイティングな「テレビ指名手配テレフォン番組」を作るというね。
トーカ堂の社長が、
「なんと! この犯人を捕まえるだけで……300マンエ~ン!」
というと、奈美悦子あたりがワザとらしく「エ~!」と驚いてさ。
「これだけ特徴的で見つけやすそうな顔なのに、そんなにもらえるんですか! 私、30万円くらいしかもらえないと思ってた……。これは捕まえ得です!」
なんて宣伝するというね。
こうなりゃあとはもうテレビショッピングとまったく一緒だよ。
「300万円だけじゃありません。逮捕のあかつきには、○○署から感謝状、そして今だけ特別ボーナス50万円もおつけしちゃいます!」
「時効は明日の正午、正午までです! 皆さんそれまでにぜひ一報を!」
ってさ。