国際情報

韓国大統領選 朴氏勝利でも親日姿勢取りにくいと韓国事情通

 12月19日に投開票が予定される韓国の大統領選は、朴正熙・元大統領の長女で与党の朴槿惠氏と、盧武鉉・前大統領の元側近で野党の文在寅氏の2人が争う因縁の組み合わせとなった。
 
 熾烈なネガティブキャンペーン合戦も繰り広げられる。家族主義の強い社会なので、特に対立候補の家族のスキャンダルを暴こうとする。たとえば、1997年の大統領選では、保守系の李会昌候補側が対立候補だった金大中氏の親族に絡む秘密資金疑惑を流したところ、報復とばかりに李氏の息子が不正に兵役逃れをしたという疑惑が選挙の最中に追及された。
 
「しかも、メディアが露骨に片方の陣営につき、ネガティブキャンペーンを展開します。国営のKBS、半官半民のMBCなど主要なテレビ局の現場は左派色が強いので、必然的に保守派の疑惑を熱心に報道し、逆に新聞の3大紙はみな保守寄りで左派を攻撃します」(ソウル在住ジャーナリストの平井敏晴氏)
 
 目下、しきりにテレビが李明博・現大統領の家族のスキャンダルを報じているが、「その裏に同じ保守派である朴槿惠氏を不利な状況に追い込もうという意図があると読める」(平井氏)という。
 
 産経新聞ソウル駐在特別記者の黒田勝弘氏もいう。
 
「韓国は噂社会、デマ社会で、裏の取れない情報でもメディアは平気で流し、国民もそれを信じます。しかも今はネット社会なので、そうした情報があっという間に広がる。選挙戦終盤に向けて、双方はお互いの過去を掘り返そうとしている。朴陣営は、盧武鉉政権時代の不正に文氏も関わっていたのではないかと追及する用意を進め、文陣営は朴氏の父親である朴正熙が軍事独裁で、しかも親日だったことを批判材料にしようとしている」
 
 いまだに親日が批判のタネとなるわけだ。文候補は、「独島問題での非妥協」「慰安婦問題での日本政府の法的責任の追及」「戦犯企業入札制限指針の強化」「日本の教科書歪曲の是正」「日帝が強奪した文化財の返還」という「対日5大歴史懸案」を掲げる、かつてないほどの対日超強硬派だ。
 
 この文候補が勝てば、日韓関係が緊迫の度合いを増すのは間違いない。だが、親日とされる朴候補が勝っても、「反日世論に気を使い、露骨な親日姿勢は取りにくい」(黒田氏)という。大統領選の熱気とは対照的に、日韓関係の冬の寒さは続きそうだ。

※週刊ポスト2012年12月14日号

トピックス

都内にある広末涼子容疑者の自宅に、静岡県警の家宅捜査が入った
《ガサ入れでミカン箱大の押収品》広末涼子の同乗マネが重傷で捜索令状は「危険運転致傷」容疑…「懲役12年以下」の重い罰則も 広末は事故前に“多くの処方薬を服用”と発信
NEWSポストセブン
『Mr.サンデー』(フジテレビ系)で発言した内容が炎上している元フジテレビアナウンサーでジャーナリストの長野智子氏(事務所HPより)
《「嫌だったら行かない」で炎上》元フジテレビ長野智子氏、一部からは擁護の声も バラエティアナとして活躍後は報道キャスターに転身「女・久米宏」「現場主義で熱心な取材ぶり」との評価
NEWSポストセブン
小笠原諸島の硫黄島をご訪問された天皇皇后両陛下(2025年4月。写真/JMPA)
《31年前との“リンク”》皇后雅子さまが硫黄島をご訪問 お召しの「ネイビー×白」のバイカラーセットアップは美智子さまとよく似た装い 
NEWSポストセブン
元SMAPの中居正広氏(52)に続いて、「とんねるず」石橋貴明(63)もテレビから消えてしまうのか──
《石橋貴明に“下半身露出”報道》中居正広トラブルに顔を隠して「いやあ…ダメダメ…」フジ第三者委が「重大な類似事案」と位置付けた理由
NEWSポストセブン
異例のツーショット写真が話題の大谷翔平(写真/Getty Images)
大谷翔平、“異例のツーショット写真”が話題 投稿したのは山火事で自宅が全焼したサッカー界注目の14才少女、女性アスリートとして真美子夫人と重なる姿
女性セブン
中日ドラゴンズのレジェンド・宇野勝氏(右)と富坂聰氏
【特別対談】「もしも“ウーやん”が中日ドラゴンズの監督だったら…」ドラファンならば一度は頭をかすめる考えを、本人・宇野勝にぶつけてみた
NEWSポストセブン
フジテレビの第三者委員会からヒアリングの打診があった石橋貴明
《中居氏とも密接関係》「“下半身露出”は石橋貴明」報道でフジ以外にも広がる波紋 正月のテレ朝『スポーツ王』放送は早くもピンチか
NEWSポストセブン
女優の広末涼子容疑者が傷害容疑で現行犯逮捕された(写真は2019年)
《体調不良で「薬コンプリート!」投稿》広末涼子の不審な動きに「服用中のクスリが影響した可能性は…」専門家が解説
NEWSポストセブン
現役時代とは大違いの状況に(左から元鶴竜、元白鵬/時事通信フォト)
元鶴竜、“先達の親方衆の扱いが丁寧”と協会内の評価が急上昇、一方の元白鵬は部屋閉鎖…モンゴル出身横綱、引退後の逆転劇
週刊ポスト
女優の広末涼子容疑者が傷害容疑で現行犯逮捕された
〈不倫騒動後の復帰主演映画の撮影中だった〉広末涼子が事故直前に撮影現場で浴びせていた「罵声」 関係者が証言
NEWSポストセブン
男性キャディの不倫相手のひとりとして報じられた川崎春花(時事通信フォト)
“トリプルボギー不倫”川崎春花がついに「5週連続欠場」ツアーの広報担当「ブライトナー業務」の去就にも注目集まる「就任インタビュー撮影には不参加」
NEWSポストセブン
広末涼子容疑者(時事通信フォト)と事故現場
広末涼子、「勾留が長引く」可能性 取り調べ中に興奮状態で「自傷ほのめかす発言があった」との情報も 捜査関係者は「釈放でリスクも」と懸念
NEWSポストセブン