衆議院選挙の投開票が迫っている。新政権の誕生は間違いないが、次期総理には日本再生のためにも靖国参拝を期待したいとジャーナリストの櫻井よしこ氏は主張する。
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現在伝えられている情勢通りに「安倍晋三総理」が誕生するのであれば、私が期待することのひとつが、歴史問題の象徴ともなった靖国神社参拝です。安倍氏は自民党総裁としてすでに秋の例大祭にお参りしています。首相に就任してからもごく自然に参拝してほしいと思います。
国家のために殉じた幾百万の尊い英霊が祀られている靖国神社を参拝することは、日本の首相にとって極めて当然の責務であり、アメリカ大統領がアーリントン墓地にいくのと同じことです。他国から内政干渉される筋合いのものでは決してありません。
中国への気兼ねから参拝を見送るようなことは、近代日本の歴史を否定することです。自国の歴史を前向きにとらえて、その先にさらに豊かな内容の歴史と文化を積み重ねていくことが大切です。そうしたことができる力を持つことを、宰相としての大切な条件のひとつに加えたいと思います。
止まるところを知らない中国の領土拡大の野望を知ってもらいたいと考え、私は『中国に立ち向かう覚悟』(小学館刊)を上梓しました。最も心を砕いたのは、読者の方々に世界地図、とりわけアジア・太平洋の地図を頭に入れてもらうことでした。
16ページにわたる図解を見れば、尖閣諸島と東シナ海のみならず、台湾、南シナ海、さらに西太平洋やインド洋にまで、いかに中国が侵略的な動きを見せているかが一目瞭然です。
日本の次期宰相が、この地図を頭に入れ、中国に立ち向かう覚悟を持って、日本を真っ当な国家として再生してくれることを願っています。
※週刊ポスト2012年12月14日号