肩甲骨を動かすだけ、というシンプルなダイエット法が評判となっているGETTAMAN(ゲッタマン)。現在、芸能人や経営者の「ココロとカラダのデザイン」を手がけ、個人レッスンは3年待ち、著作の累計は48万部にまでなっているという。
この「ゲッタマン」という名はどうやって誕生したのだろう。時はトライアスロンにも挑戦した1996年に遡る。その年の12月、ホノルルマラソンに参加した彼は、大会前夜のパーティーの席で大会関係者に、「ジャパニーズ・スタイルで参加したら?」と提案される。安請け合いしたところ、当日届いた衣装は、羽織袴に“高下駄”だった。
「衣装はまだしも、高下駄を履くとすぐ前のめりになっちゃう。ストレッチもできないし、走るのは無理だ、棄権しようと思いましたよ」(ゲッタマン、以下同)
実際、高下駄の鼻緒が足に食い込み出血。激痛におそわれ、他の参加者には「クレイジー!」とまで言われた。
「何度も途中でリタイアしようと思いました。だけど、カランコロンと下駄の音を立てて走っていると、皆がサッと道をあけてくれるから、やめるにやめられない。半分やけっぱちになって、立ち止まっている人や並んだ人に“メリークリスマス!”とか“エンジョイ?”とか、声をかけながら走り続けたんです」
高下駄ながら、なんと4時間強で走破。その後もゴールで全員を笑顔で出迎え、羽織袴姿のまま「おめでとう」と握手した。
「すると参加者たちがニコッと笑ってくれる。これはもう自分の使命だと思いました」
翌年、なんと公式ポスターには、羽織袴に高下駄で走る自分の姿とともに、高下駄のゲタから取った「GETTAMAN」の文字が。
「そこには『ゲッタマンに逢えると来年幸せが訪れる』と書いてあるんですよ(笑い)。もう後に引けなくなって、以来、15年もその姿で走り続けているんです」
こうして知る人ぞ知る存在になり、ゲッタマンと自らも名乗るようになった。独立し、自らのアスリートとしての経験や、フィットネスクラブ支配人時代に学んだ体の仕組みや医学的知識などをもとに、企業や官公庁などでメタボリック対策やストレス対策、ダイエットなどのスペシャリストとして講演活動を展開。
肩甲骨の周囲に多い“褐色脂肪細胞”を動かすことで、ラクに痩せられる“ゲッタマン体操”も編み出した。
「ココロとカラダをデザインするヒューマンアーティスト」として、活動の幅を広げていき、現在はメディアをはじめ、個人向けのオーダーメードサポートと講演を中心に活動を続けている。
「単なるダイエットではなく心と体、両方の“デザイン”をします。皆さん、体の脂肪だけでなく、心に過去を背負って生きている。それをいかにして落とすかアドバイスしていきます。体が変われば、人生も変わる。
だからその人に合った形でサポートするために、月に2回ずつ、ご自宅に伺っています。今は3年待ちなど、申し訳ない状態になっているんですが…」
※女性セブン2012年12月20日号